シャーウッドの森

おもに映画。

ようやくディズニーが辿り着いた答え

    という誰目線なのか分からんタイトルで以前Yahoo!映画レビューを書いたところ、あろうことか当時役立ち度一位とやらになってしまった。ネットを初めて以来の快挙、というよりは、ほんの出来心でチラ裏的に書き殴った自分用メモが不特定多数の人の目に留まったことがマジで恐怖だった。

    まあ、誤字を直した途端に役立ち度は見事リセットされてしまい、今や何の証拠も残されていないみたいなのでおそらくは夢か妄想だったのかもしれないが、少しでも好きな映画の興行収入に貢献できたのであれば駄文を書いた意味もあったのだろうなと思っているのでYahoo!映画レビューのクソシステムに恨みなど微塵ももっていません。涙はあの夜に枯れ果てた。

    というわけで個人的な記録として、またズートピアのオスカー受賞記念としてブログに残しておくことにする。何度読み返しても一体誰目線でものを語っているのかまじで理解に苦しむ文章だ。

 

 

 

    以下、なるべくこれからご覧になる方のためのレビューになるよう書いていくつもりです。(ある程度世間の熱が収まったら多分書き直します)

    まず「見に行こうか迷ってるからレビュー読んでみっか」とレビューを漁っている方は今すぐ近くの映画館の上映時間を調べてほしい。見に行こうかな、まで思ったのであれば是非、今、この公開中に、劇場へ、何をおいても見に行ってください。(余談ですが、私は2Dで見て物凄く後悔が残ったのでもう1回3Dを見に行きます。可能なら是非3Dで見てください。)


    ご存知の通り、本作は世界を牛耳るウォルト・ディズニーが自己史上最高の興行成績を叩き出した、もはや「問題作」です。間違いなく世界歴代興行収入映画にその名をならべます。どうぞ映画史上に名を残すであろう本作を目撃しにいってください。

 

    注意点としては、できれば小さなお子さまとは見に行かないでください。デフォルメの可愛らしさから「動物たちが夢に向かって冒険に出る物語かしら」とお思いの方も少なくないかと思いますが、残念ながらこれは大きな勘違いなのでくれぐれもご留意いただきたい。

 

    ここ数年のディズニー映画を見ている人は既に勘づいているかもしれませんが、近年ディズニーは自分たちが長年築き上げてきたディズニーの魅力を破壊する行為に出ています。つまり、夢を壊すこと。というより、ディズニーにおける夢の定義が変わりつつあるのかもしれない。
    この世において本当に素晴らしいのは、言葉を話す動物でも、空飛ぶ絨毯でも、妖精でも、氷の魔法でも、王子様とお姫様が結婚することでもない。人は空を飛べるわけもなく、歌って踊れば万事解決というわけにも当然ながらいかない。人は人を騙すし、差別する。金や権力のために血を流すことも厭わない。そんな世界だけれど、自分を見失わず強く生きていこう。家族や友人を信じよう。恐れずに人を愛そう────最近ディズニーが重ねている暴挙の数々にはそんなメッセージを感じていました。
    ここ10年くらい不審な挙動ばかり見せていたけど、今回でようやく本当にディズニーが表現したかった物語に出会うことができた気がします。思えばディズニーの魅力なんていうものは、始めから夢ではなく現実だったのかもしれない。

 

    そんなわけで、世の中の汚い部分をディズニーはR指定も無しに公開するようになりました。本作に至ってはスタジオジブリで言うところのナウシカもののけ姫くらいには相当するので、小さなお子さんが見たら怖がって泣き出すかもしれない。
そうでなくても、人種差別や宗教などなかなかヘビーなテーマをも包摂しているのでR12くらいには指定したいくらいです。
    そして、これ程までにディズニーが強いメッセージを込めた映画をお子さま連れで見に行かれて「子供向けじゃなかった」とレビューを下げられるのはちょっと悲しい。

    ではどんな人に見てもらいたいか?ええ、子供の頃ディズニーに夢を見せてもらって育った大人たちには是非見ていただきたいですね。(精一杯のネタバレ)